現代人は社会のストレスや大気汚染による酸素不足が原因で、病気や老化などの様々な悩みをかかえるようになりました。人間の身体には約60兆個の細胞があり、そのすべてが酸素を必要としています。高気圧酸素ルームは溶存酸素を増やし身体の悩みを解決する近道です。
「結合酸素」とは通常の呼吸で得られる酸素で、血液中のヘモグロビンに依存して融合し、血管に運ばれています。そのためヘモグロビンの大きさは細い毛細血管を通り抜けるには限られてしまいます。しかし「溶存酸素」はヘモグロビンと融合していない酸素で、しかもヘモグロビンより小さいため、毛細血管を通りやすく体内により多くの酸素を送り込むことができます。
実施期間 | 2016年6月~8月 |
---|---|
実施場所 | 京都大学大学院人間・環境学研究科実験室 (森谷敏夫研究室) |
使用した設備 | 高気圧酸素ルーム・ブレッドタイプA-L |
監修 | 森谷敏夫 (京都大学名誉教授) 石原昭彦 (京都大学教授) |
結合酸素量 | 普通環境 | 高気圧酸素環境 |
---|---|---|
開始前 | 97.7 | 97.9 |
15分後 | 97.7 | 98.4 |
30分後 | 98 | 98.9 |
45分後 | 98.1 | 99.2 |
60分後 | 97.9 | 99.6 |
心拍数・脈拍数 | 普通環境 | 高気圧酸素環境 |
---|---|---|
開始前 | 71 | 71 |
15分後 | 71 | 70 |
30分後 | 72 | 66 |
45分後 | 69 | 67 |
60分後 | 70 | 66 |
赤血球中のヘモグロビンが酸素 (これを結合酸素といいます) を結びつけて全身に運びます。高気圧酸素の環境では、結合酸素が増大します。また、全身を流れる酸素が増大するこ とによって、心拍数・脈拍数が減少します。
普通環境 | 高気圧酸素環境 | |
---|---|---|
結合酸素量 | 17.7 | 18.1 |
溶存酸素量 | 0.31 | 0.65 |
血液中に溶け込んだ酸素を溶存酸素といいます。高気圧酸素の環境では、ヘンリーの法則により溶存酸素が増大します。溶存酸素は血液中に直接溶け込んでいるので、手先、足先、心臓、脳や眼の末端の細胞まで酸素を届けることができます。
過食や運動不足によって、赤血球が連鎖したり、凝集するために、血液はドロドロになります。高気圧酸素の環境では、サラサラした血液になります。
自律神経には、交感神経と 副交感神経の2つがあります。 日中 (活動時) は、交感神経の活動が積極的になります。 また、緊張したり、ストレ スが加わると交感神経の活動が優位になります。 一方、夜間、リラックスしている時、食事後には、副交感神経の 活動が積極的になります。 自律神経活動の安定を判断する指標として、[交感神経の活動/副交感神経の活動] があります。 日中 (活動時) に測定して、0.8 から2.0 の範囲であれば自律神経の活動が正常となります。 交感神経の活動が優位になると高い 値を示し、副交感神経の活動が優位になると低い値を示します。 普通環境に滞在した場合の自律神経活動は、1.10 (普通環境で30 分経過後の値) から1.50 (普通環境に滞在す る前) でした (被験者:40 歳代の女性)。一方、交感神経の活動が優位であった男性 (50 歳代) は、高気圧酸素 の環境に滞在することによって、交感神経の過剰な活動が抑えられました (高気圧ルームに滞在する前は8.79、 高気圧ルームへの滞在30 分後は2.61、滞在60 分後は2.96)。 高気圧酸素の環境は、交感神経の過剰な活動を抑えて、自律神経を安定させます。