日本気圧バルク工業株式会社

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神戸大学と日本気圧バルク工業株式会社の共同研究により軽度高気圧酸素環境で短時間にNK細胞が増殖する事を発見

神戸大学と日本気圧バルク工業(株)の共同研究により軽度高気圧酸素環境で短時間にNK細胞が増殖する事を2020年12月14日に発表しました。 神戸大学大学院 藤野英己教授(専門分野 リハビリテーション医学,体力医学,骨格筋,微小循環)と、日本気圧バルク工業(株)の共同研究において 軽度高気圧酸素環境において、NK細胞が短時間で増加する事が確認されました。 NK細胞増殖モードを搭載した酸素ルームに70分滞在すると、NK Brightが34%増加、NK dimが24%増加いたしました。 NK細胞増殖モードは、実用新案出願中です。

NK細胞とは?

NK細胞とはリンパ球に含まれる免疫細胞です。人体に侵入した外敵を攻撃する能力を備えています。 NK細胞は体内を幅広く行動しおり癌細胞やウイルス感染細胞などの異常細胞を発見すると攻撃をしかけます。 今後の研究により癌治療やウイルス治療など幅広い分野での利用が期待できます。

気圧の上げすぎは危険

酸素カプセルや酸素ルームを使用する場合、1.5気圧を超える気圧を使用することは、次のことから危険です。

副作用が生じる危険性が高くなる

酸素毒性1)は1.5気圧以上で認められ、1.75気圧を超えると活性酸素2)が過剰に産生することが指摘されています (Wikipediaの「酸素カプセル」による報告より)。 1)酸素毒性とは、体内の過剰な酸素が有害な作用を及ぼしている状態のことです。これにより、筋肉のしびれやけいれん、呼吸困難などが生じます。酸素毒性の影響は、とくに脳と肺で大きいことが知られています。 2)活性酸素とは、酸素分子が反応性の高い化合物に変化したものの総称です。がんや生活習慣病の原因であり、老化を促進させます。

負の生理反応が生じる

高い気圧に設定するほど、その気圧に達するまでに時間を必要とします。気圧の上昇中は交感神経1)の活動が積極的になり、血管が収縮を続けます (一方、気圧が低下しているときは副交感神経2)の活動が積極的になり、血管が拡張を続けます。血管拡張により血管の周囲の神経が圧迫されて、頭痛が生じる場合があります。これを天気痛といいます)。設定した気圧に達して気圧の上昇が止まると血管の収縮もなくなりますが、高い気圧に設定するほど長い時間にわたって気圧を上げていくので血管の収縮が続くことになり、血流の悪化を引き起こします。 1)交感神経は、副交感神経とともに自律神経系を構成しており、心と体の状態を活発にする神経です。運動をしているとき、緊張やストレスを感じたときに血糖や血圧を上昇させて、安静時心拍数を高めるのが交感神経です。 2)副交感神経は、交感神経と反対の働きをします。心と体の状態を落ち着かせる神経です。

酸素カプセルや酸素ルームが破損した場合の危険性

酸素カプセルや酸素ルーム内の気圧が高いほど、破損時に生じる気圧の変化 (低下) は激しくなります。気圧が高いだけでなく、気圧の上昇や低下を急激に行うと体への悪影響 (たとえば鼓膜や肺の損傷など) が生じる危険性が高くなります。それを回避して、安全に (副作用なく) 効果1)を得るには、酸素カプセルや酸素ルーム内の気圧と酸素濃度を適切に維持することが必要になります。酸素カプセルや酸素ルーム内の気圧は1.25気圧から1.3気圧、酸素濃度は35%から50%にすることで安全に効果1)を得ることができます。 1)血液中に溶け込む溶存酸素を増やすことにより、健康や体力の維持・増進、抗加齢 (アンチエイジング)、美容に対する効果を得ることができます。赤血球内のヘモグロビンに結合する酸素を結合酸素といい、体内におけるすべての酸素の95%以上は結合酸素になります。体内の結合酸素は酸素カプセルや酸素ルームで増やすことができますが、健康な人の場合はヘモグロビンに結合している酸素は98%程度であり、酸素カプセルや酸素ルームを使用しても2%ほどしか増やすことができません。結合酸素は、高地順応 (酸素濃度の低い高地に長期間にわたり滞在して体をその環境に適応させる (ヘモグロビンを増やす) こと) により増やすことができます。

酸素カプセルや酸素ルーム内で火災が生じた場合の危険性

酸素カプセルや酸素ルームでは、100%の酸素 (純酸素) を使用することがないので、内部でろうそくやマッチに火を灯しても爆発することはありません。内部でろうそくを灯した場合、燃焼効率が良くなることでろうそくの長さは外部よりも約2.5倍の速さで短くなります (1.25気圧、40%酸素を使用した場合)。しかしながら、酸素カプセルや酸素ルーム内は密閉されており、すぐには減圧できません。気圧が高いほど減圧するための時間を要することになり、火災による被害を大きく受けることになります。

医療用装置と健康用装置の違い

2気圧以上、純酸素 (100%酸素) を使用した「高気圧酸素」の使用法が確立しています。治療を目的として使用されており、20種類ほどの治療 (医療行為) に使用されています (一酸化炭素中毒、熱傷や凍傷、脳梗塞、腸閉塞、突発性難聴などの治療に使用されます)。高気圧酸素治療は、高気圧と高濃度酸素を利用して体内の溶存酸素を最大限に増やすことを目的として使用されています。高気圧酸素治療では、鼓膜が破損したり、白内障になったり、活性酸素が過剰に発生するなどの副作用が生じる危険性が高くなること、さらに爆発の可能性 (静電気の発生によっても発火する恐れがあります。したがって、高気圧酸素治療の装置には、綿または木綿100%の下着を着用して滞在します。) が高いので、専門医の指導により行われます (医療機器を使用した医療行為になります)。一方、酸素カプセルや酸素ルームは、健康や体力の維持・増進、抗加齢 (アンチエイジング)、美容への効果などを目的として使用する健康機器になります1)。酸素カプセルや酸素ルームの気圧を高くして使用すれば、それだけ医療用の装置で得られる効果に近づき、酸素カプセルや酸素ルームの本来の目的から離れたものになります。気圧を上げればすべてのことに対して効果が得られるわけでなく、さらに気圧を上げればそれだけ大きな効果が得られることにはなりません。何を目的として酸素カプセルや酸素ルームを使用するのかに合わせて、適切な気圧と酸素濃度を使用する必要があります。高い気圧ほど医療を目的とした使用になり、健康機器としての効果が大きくなると考えるのは危険です。 1)酸素カプセルや酸素ルームの効果は、「石原昭彦. 軽度高気圧酸素の仕組みと効果. ファルマシア (日本薬学会), 53: 241-244, 2017」と「Ishihara et al., Mild hyperbaric oxygen: mechanisms and effects. Journal of Physiological Sciences, 69: 573-580, 2019」に総説としてまとめられています。

京都大学教授 石原昭彦